「具体的に5~6人患者が来店されてからトータル30分で対応できました。一人当たり平均5分くらいで終わっている計算になります。」(笑)と話すのは管理薬剤師の堤先生(新潟県新潟市)。いち早く「kusudama(薬玉)」を導入し、薬局業務の効率化を実現している。今回は、有限会社メディカルサポート、堤様へ「kusudama(薬玉)」の導入したきっかけや、導入してみた感想などお聞きしてみました。
これまでに課題などがあって入替を検討したと思いますが、どういった課題がありましたか?
いままでは紙薬歴でした。国の方からも今後変える場合は、電子薬歴にしていきなさい。と通知がでているので、電子薬歴への変更は必須ですが、ただ、電子薬歴へ変えてもレセコンの部分にかメリットが生まれない。せっかく同じ金額をはらうのであれば、「一番効率化ができる機械を入れたい」と考えていました。入口が電子薬歴で、その後、全体的に業務の効率化に視点を置き、計画していきました。ペーパレス、薬歴以外でも検討しました。他の業種と比べて印刷物が多い業種です。処方箋、薬情はどうしても出さないといけない。ペーパレスを進み切るのは難しいだろうな。手間とコストの面で、紙と変わらないのであれば、ちょっと導入は難しいだろうと計画していた。コストを抑えられないと紙をなくす必要がない。なので、薬情を電子化するべきかと思う。
お薬手帳の電子化については、あまり使われてない印象ですよね。そうですね。年齢層が違いますよね。スマホ世代は薬を飲む世代ではない。薬を飲む世代はガラケーも危うい世代。やっぱり進むのは難しいようだ。今後、使う側が進めばサービスの検討ももちろん考えています。お薬手帳のもともとの役割は、併用薬などの確認。コレクションするものでありません。医療従事者が患者の飲んでいる薬を把握するツールです。把握したうえで、併用禁忌や併用注意を簡便化するツールです。それがスムーズに出来るものでなければなりません。なので、いずれはレセプトを開示してお薬手帳をなくした方が良いと考えます。
他のレセコンも見た上で「kusudama(薬玉)」を選んでいただいた理由は?
「薬剤師の職能を最大限活かしてもらうためのシステム」を焦点に、最大はOCR。QRコードで読む機能は相当数あります。ただ、どうしても片手で処方箋、片手でリーダー、というスタイルになります。読んでいる最中に他の事をすることはできません。それに比べるとOCRは読み込ませた後、次の行動へ移れます。次の準備ができます。この数秒の隙間がすごく重要です。3種類以上の時であっても、スキャンの最中に、患者さんの対応をする事もできます。様々な所で差し込まれるヒューマンエラーを予防できます。処方箋入力って煩雑になり易いので大変なんです。
ほかには「kusudama(薬玉)」の調剤監査、薬歴記入に使っています。とても助かっている部分です。バーコードリーダーの読取り精度が高く、目に優しいのも助かっています。他社のバーコードリーダーでiPadから読み取れるものもありますが、赤い光が強く、目がちかちかする。すごく目が疲れるんです。そのへん、「kusudama(薬玉)」のリーダーは優秀ですよ。
導入までの流れについて
保守のタイミングではなかったです。効率化を目指した入替を目的に4社ほど比較しました。知人からの紹介です。iPadでの運用に興味をもって、OCRが刺さりました。他社のタブレット製品もありますが、調剤業務全般に対応しているのは「kusudama(薬玉)」だけです。
具体的にどう効率化できていますか?
具体的に5~6人患者が来店されてからトータル30分で対応できました。一人当たり平均5分くらいで終わっている計算になります。
事務さんの雑務はいろいろありますが、「午後、事務さん1、薬剤師1」だったのが、「午後、薬剤師1」で保険調剤業務が可能になりました。こうなってくると事務さんの人件費の削減、他の店舗へ回すなり流動性が図れるようになってきました。午前パートだけの雇用であれば、各店舗の人員削減にも繋がります。午前パートだけであれば、扶養内で働くこともできる。社会保障費などコストが3分の1まで削減することができます。
これからの時代は、会社単位ではなく、個人戦になっていくでしょう。会社は守ってくれません。自分の強みを生かした働き方をする。例えば、機械を導入するとして、今までの業務量が過多なのであればそれを先行投資で業務量を減らす方法を取る。今まで適正だったものに機械を導入して効率化するとすると、人件費を削って、一人の負担を上げる。のも一つの選択。
今後の展望について
もう1店舗、導入を進めています。会社的にもレセコンのリース切れのタイミングで入れ替えていきます。結構、煩雑になる薬の管理。今は外部のソフトを使っていますが、全店「kusudama(薬玉)」にできるようであれば、発注業務、在庫管理、不動在庫など一括で管理できるように考えている。今より業務効率を上げられます。今ある便利な機能は極力取り入れて行って、人の力でやらなくて良い所は置き換えて行って、効率化を図りたい。電子処方箋は一刻も早く実施してほしいですね。OCRの技術は人が文字を書いている限り、必要となります。今後も「kusudama(薬玉)」の進化と一緒に発展できたらと思います。
御社の目標は何ですか?
薬剤師会とか、チェーン薬局さん、大手のチェーン薬局さんは、患者さんのために。というワードが出てきます。
会社の理念として、患者様のために役に立つ、必要とされるようになるためには、ある程度稼いでいる必要がある。薬局を建てるにしろ、機材を投資するにしろ、日進月歩の医療業界の中でそういった情報収集をするには、ある程度稼いでいないと投資ができない。そこはきれいごとを排除して、稼ぐ方法を考えている。しっかり稼いで、稼いだ分を患者様の利便性やメリットへ還元できるような体制にしたい。