この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
こんにちは。調剤システムメーカーの株式会社ズーです。
2023年1月26日に運用開始となった「電子処方箋」。
データヘルス改革の一環として、オンライン資格確認等システムなどの仕組みを基盤として医療情報を連携するサービスの一つとして、今注目を集めています。
今回は「電子処方箋」の概要と、薬局に導入する場合のメリットをまとめていきます。
1.電子処方箋とは
「電子処方箋」は、オンライン資格確認の仕組み(オンライン資格確認等システム)を基盤とした 「電子処方箋管理サービス」を通して、医師・歯科医師、薬剤師間で処方箋を電子的にやり取りする仕組みです。
複数の病院・診療所・薬局をまたいで、直近を含む過去3年間に処方・調剤された情報の参照、それらを活用した重複投薬等チェックなどを行えるようになります。
病院の受付から薬局の受付・調剤までの流れにフォーカスを当ててまとめると、以下の図のようになります。
※PCの方は画像をクリックで拡大、スマホの方はズームしてご覧ください。
2.患者様目線のメリット
それでは、電子処方箋を導入する患者様目線のメリットをまとめていきます。
・重複投薬等チェックにより、適切な薬学管理がなされる
病院・診療所・薬局で、処方されたお薬が過去のお薬と重複等していないかを、電子処方箋管理サービスでチェックするので、適切な薬学管理に繋がります。
・電子処方箋の事前送付によって、待ち時間が短縮される
電子版お薬手帳アプリなどを用いて、引換番号と被保険者番号などを薬局に事前送付することで、電子処方箋の原本(紙の処方箋の場合は処方内容を含む電子ファイル)が事前に閲覧できるため、待ち時間が短縮されます。
・患者様自らが薬剤情報を一元的に管理できる
電子処方箋管理サービスに蓄積された患者様のお薬のデータは、マイナンバーカードを用いて、患者様自身がマイナポータル等経由でオンラインでも閲覧できます。
・生活環境が変わっても継続した対応が受けられる
複数の病院・診療所・薬局をまたいで、直近を含む過去3年間に処方・調剤された情報の参照ができるようになるため、引っ越しなどで病院・診療所・薬局を変更しても、継続した対応を受ける体制の確保が容易になります。
3.薬局目線のメリット
続いて、電子処方箋を導入する薬局にとってのメリットをまとめていきます。
・正確な情報を基にした服薬指導に繋がる
患者様の同意があった場合に確認できる過去に処方・調剤された情報は、「オンライン資格確認」が過去1か月~3年分なのに対して、「電子処方箋管理サービス」は直近を含む過去3年分となっているため、タイムラグのない正確な情報を基にした服薬指導が実現できます。
・医師と薬剤師のコミュニケーションが円滑になる
医師からは処方意図等の記載、薬剤師からは一般名処方や後発品への変更調剤など調剤内容の記録があり、電子処方箋管理サービス経由で情報共有が進みます。
・入力項目の不備等による問い合わせ件数の削減。
電子処方箋管理サービス側で入力項目に不備がないかを確認し、重複投薬等のチェックも実施し、また、重複ありで処方する場合はその意図も登録できることにより、用法用量の記載漏れや手書きで読めないケース、処方意図のある重複投薬等への形式的な問い合わせなどの件数が削減されます。
・処方箋情報の手入力の負荷軽減およびミスの軽減
電子処方箋管理サービスから処方箋情報をレセコンに取り込むことで、レセコンでの手入力の負荷とミスを軽減できます。
・紙の処方箋の保管が不要になる
電子処方箋を受け付けた場合は、紙の処方箋を物理的に保管する必要がなくなり、保管スペースの確保やファイリング作業が不要となります。
4.終わりに
今回は電子処方箋の概要と、薬局に導入する場合のメリットについてまとめました。
電子処方箋については患者様から聞かれることも増える可能性がありますので、よく理解しておきましょう。
それではまた、ズーでした。