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こんにちは。ズーです。
レジ袋の有料化が始まり、これからエコバッグの普及がどんどん進むのではないかと思います。
今回はエコバッグと繋がりが深く、かかりつけ機能にも関わるブラウンバッグ運動についてまとめてみました。
目次
1.ブラウンバッグ運動とは
患者さんに服用薬(OTCやサプリメントも含めて)を持参してもらい、薬剤師が中身を点検して、飲み合わせの確認や残薬整理を行うための運動を、ブラウンバッグ運動といいます。
日本では「節薬バッグ運動」や「おくすりバッグ運動」などの呼び名が使われることもあります。
具体的な取り組みとしては、レジ袋の代わりにエコバッグや再利用可能な紙袋でお薬を渡し、次回は家にある服用薬をこの袋に入れてきてくださいと働きかける取り組みになります。
1982年にアメリカで始まったこの運動は、茶色の紙袋に服用薬を入れてくるように働きかけていたことから、「ブラウンバッグ運動」と名付けられたそうです。
2.エコバッグをブラウンバッグへ
希望的観測ですが、エコバッグの普及が進むことで、ブラウンバッグ運動に対する患者さんの抵抗感は減っていくような気がします。
薬局が用意したエコバッグか、あるいは患者さんが普段使っているエコバッグに服用薬を入れてきてもらい、そのエコバッグに今回分のお薬を入れるような流れができれば、自然にブラウンバッグ運動が始められるのではないでしょうか。
3.持参してもらうためのアピールポイント
とはいえ、ただエコバッグを渡しても、次に服用薬を持って来てくれる可能性は低いです。
お薬を持って来てもらうためには、ポスターや声掛けは不可欠なのだと思います。
ここからは患者さん目線で、ブラウンバッグ運動に参加するメリットを考えていきます。
3.1レジ袋の代わりとしてアピール
まずは今回の有料化に絡めて、エコバッグの推進がスタートになるかと思います。
ブラウンバッグ運動を背景に無料、あるいは安価でエコバッグを配布することによって、レジ袋よりお得であることをアピールし、自然に次のステップに繋げられるかもしれません。
3.2併用薬や残薬の危険性をアピール
飲み忘れや併用薬のチェック、期限切れのお薬の危険性についてアピールし、正しくお薬が作用するために持参をお願いする形になります。
言われた通りに薬を飲んでいるのにどうにも体調が悪い、心配事があるけど医師に相談できていない患者さんなど、ニーズは一定数あるのではないかと思います。
3.3会計額が減る可能性をアピール
残薬問題の解決は医療費の削減に大きな効果があるとされ、その推計削減可能額は年間で数百億とも数千億ともいわれています。
実際にどれぐらい残薬整理をされるのかは患者さんによって様々ですが、残薬を持ってくることで会計額が下がれば、患者さんにとっては一番わかりやすいメリットです。
処方箋一件あたりの削減額の例としては、残薬整理を行った場合、平均2700円ほど薬価ベースで削減される可能性がありそうです。
※参考 医療保険財政への残薬の影響と その解消方策に関する研究
4.まとめ
今回はブラウンバッグ運動についてまとめてみました。
新型コロナウイルスの影響で長期処方が増えた関係で、残薬の問題はより深刻になっていくかもしれません。レジ袋の有料化も重なり、エコバッグが普及されていくのならば、今こそブラウンバッグの出番なのではないでしょうか。
それではまた。ズーでした。