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こんにちは。ズーです。

いわゆる「三密」の回避のため、飲食店や八百屋、銀行までも導入が始まっているドライブスルー。
薬局業界では10年以上前から導入している企業もありますが、ここにきて再度注目されています。

そこで今回は、ドライブスルー薬局のメリットとデメリットを整理し、広い駐車場がなくても実現できることがあるか、考察していきたいと思います。

 

1. ドライブスルー薬局のメリット・デメリット

まずはメリットとデメリットを整理します。
患者さんのニーズと、薬局側のハードルが何か明らかにしていきましょう。

1.1メリット

メリットとしては以下が考えられます。

・小児患者などで子供連れの場合や、歩行困難な場合、車から降りなくて済むのは楽。
・二次感染の防止になる。
・完全に一対一になるので、プライバシーへの配慮が強化される。
・雨の日など外に出なくてもいいので便利。
・待ち時間を自由に過ごせる。

以上を考えると、重要なのは車を降りないことだとわかります。

1.2デメリット

デメリットとしては以下が考えられます。

・専用窓口や新しい設備など、資金がかかる。
・ドライブスルー用の停車スペースが必要になる。
・設備によって追加の人員が必要になる。
・冬場など、外気に長く触れる従業員の体調面が心配。
・薬を受け取ったらさっさと行ってしまって、服薬指導があまりできないかもしれない。

以上を考えると、薬局がドライブスルーを設置するには、いくつかハードルがあることがわかります。

2. 患者さんが求めるのは車から降りないこと

ドライブスルーのメリットは全て車から降りないことに集約されます。
ではそのニーズに対して、ドライブスルーがどのように関係するか、代替案はあるか、業務の流れに沿って考えてみます。

2.1受付

ドライブスルー薬局
処方箋の原本やお薬手帳、保険証の提示や初回アンケートなどを行う受付業務。
車から降りず済むような対応を考えてみます。

・受付専用の窓口を設置する
これは通常のドライブスルーです。ただし必ずしも通り抜けられる必要はなく、例えば建物の横に付けるように一台分のスペースを確保し、そこに窓口を設置すれば比較的省スペースになりますが、何台も車が続いた時の整理が必要になります。

・従業員が取りに行く
窓口がなければ取りに行くしかありません。この場合スペースは取りませんが、人員の確保と、駐車場から従業員を呼ぶためのチャイムか、通信用のマイクの設置が必要かと思われます。

2.2お薬のお渡しと服薬指導

では次にお薬を渡す際の対応を考えてみます。

・投薬専用窓口を設置する
これは通常のドライブスルーです。受付窓口が終わった後、そのまま投薬窓口に誘導するパターンと、呼出ベルなどを渡して駐車場に行ってもらい、準備ができたら投薬窓口に呼び出すパターンがあります。

・受付の窓口と兼ねる
車用の窓口を一つにして、使うスペースを減らす形です。処方箋を受け取ったら呼出ベルを渡し、準備ができたら呼び出すというのが考えられますが、混雑時は交通整理が大変かもしれません。

・従業員が渡しに行く
やはり窓口がなければ直接行くしかありません。この場合は完全に外で服薬指導をすることになるため、長時間の会話は厳しいと思われます。

2.3会計

レジスター

会計についても、ドライブスルーの対応を考える必要があります。

・複数のレジを設置する
専用の窓口を設置した場合、その窓口にもレジがあるとスムーズに会計ができます。ただし、集計が複雑化するのと、スペースの問題はあります。

・一台のレジで対応する
この場合は現金、あるいはカードをお預かりして、レジで精算をしてくるようになります。スムーズな会計のために、動線は先に考えておいた方がいいと思います。

・現金を持ち歩く
駐車場に渡しに行く場合、その場で会計を済ませるならば、お釣りを渡せるような用意が必要です。会計の正確性を考えると、レジで会計をした方が確実だとは思います。

3.まとめ

ドライブスルーの薬局は車を降りないことが一番のメリットであり、それ自体はドライブスルーの形式でなくても実現できるかもしれません。
ただし、一般的なドライブスルーから離れるほど、それだけ人員が必要になり、負担が大きくなると思われますので、実現可能かどうか念入りなシミュレーションが必要だと思われます。

ちなみにドライブスルーを実施する場合、こまめに移動しながら業務をする可能性があるため、タブレットのシステムを導入し、どこでも業務をできるようにすることをおすすめします。

それではまた。ズーでした。