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こんにちは。調剤システムメーカーの株式会社ズーです。

2019年12月4日に公布された、いわゆる「改正薬機法」の一部が2021年8月1日に施行されます。薬局業務に直接関わりのない内容も含まれますが、実際のところ何が変わるのでしょうか。

今回は、改正薬機法によって2021年8月1日に施行される項目で、薬局に関係するものをまとめてみたいと思います。

1.薬局開設者等のガバナンスの強化

違反
相次ぐ薬機法違反に対する防止措置として、法令順守に関する体制の整備を義務付けるようになります。具体的な整備の内容については、ガイドラインが出ています。
ここではざっくりした項目だけお伝えするので、必ず詳細はガイドラインでご確認ください。

・遵守すべき規範を、社内規定において明確に定め、周知する。
・薬事に関する業務に責任を有する役員(責任役員)を位置づける。
・責任役員の権限や分掌する業務・組織の範囲を明確に定め、周知する。
・役職員の意思決定や業務遂行の業務記録を作成し、管理及び保存する体制とする。
・管理者は必要な能力及び経験を有する者を選任する。(実務経験5年の認定薬剤師が推奨)
・管理者の権限を明確化する。
・管理者による意見申述義務と、薬局開設者等のそれに対する意見尊重および措置義務。

ガイドラインは結構長いので、読む際のポイントをお伝えします。
下記のような表現に注意して、線や色を付けながら読むと理解しやすいです。

・なければならない、必要がある、求められる
遵守しなければならない事項で、義務となる。

・重要である、有用である、望ましい
推奨される事項で、義務ではない。

・考えられる
措置の例示等で、義務ではない。

薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン(岡山県HPより)

薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドラインに関する質疑応答集(岡山県HPより)

2.認定薬局制度の開始


患者さんが自身に適した薬局を選択できるよう、特定の機能を有する薬局の都道府県知事による認定を行う制度です。

認定薬局には「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の二つがあり、それぞれ「患者のための薬局ビジョン」に対応した機能を基に要件が決められています。

特に注目度の高い「地域連携薬局」については別記事にて詳しくまとめてありますので、よろしければご覧ください。
地域連携薬局認定のメリットと関連する加算

3.添付文書の電子化

添付文書の電子化
出典:独立行政法人医薬品医療機器総合機構

医薬品に関する最新の情報を提供することや、紙資源の削減の観点から、医療用医薬品に同梱される紙の添付文書は原則廃止となります。
ただし、移行期間として2023年7月31日までは紙の添付文書の同梱が可能となっているため、実際は徐々に減っていくことが予想されます。

今後は医薬品の容器等に記載されたコードを読み取り、スマートフォン等で専用アプリから添付文書を表示することになります。
なお、添付文書が廃止されるのは医療用医薬品だけなので、一般消費者に直接販売をするOTC医薬品等については引き続き添付文書が同梱される形となります。

詳しくはPMDAの詳細ページをご確認ください。
添付文書の電子化について(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

4.2分の1ルールの廃止

こちらは直接薬局業務に関わるわけではありませんが、一般用医薬品の販売時間規制(一般用医薬品の販売時間が当該店舗の開店時間の一週間の総和の2分の1以上)が廃止されます。

従来通り販売対応は専門家が行う必要がありますが、24時間営業のコンビニなどは一気に販売のハードルが下がることになります。
今後はそういった新規参入との差別化が必要になってくるかもしれませんね。

5.終わりに

今回は改正薬機法で2021年8月1日に施行される内容をまとめてみました。
ちなみに他には、医薬品等の違反広告への課徴金制度の開始なども同日施行となります。

株式会社ズーでは、改正薬機法に限らず様々な制度に対応した製品を日々開発しております。
在宅対応の充実やレセコンの載せ替えなどをお考えの方はぜひ一度製品をご覧ください。

それではまた、ズーでした。