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こんにちはズーです。
新型コロナウイルスの影響も続く中、夏に近づくにつれて台風などの自然災害への警戒も強める必要が出てきました。
今回は、もしもの時にすぐ業務を復旧させるための事前準備である、BCPについてまとめてみます。
目次
1. 事業継続計画(BCP)とは
薬局は災害時に迅速な業務の復旧が求められます。
そこで必要になるのが、災害時に業務を継続するための計画、通称BCP(Business Continuity Plan)の策定です。
BCPは防災計画とは異なり、人命や財産を守る対策に加えて、企業としてどのように事業を継続するか事前に検討し、その過程で重要な業務が何か整理して対策を練る、中長期的な経営戦略となります。
BCPは法律で定められた義務ではないため、具体的な策定方法は各都道府県、企業規模によって様々ですが、ここでは一般企業と薬局BCPの違いと、気を付けるべき点をご紹介します。
ちなみにBCP策定の具体的な例として、東京都福祉保健局の手引きは以下になります。
薬局における事業継続計画(BCP)の策定について
1-1. 一般企業と薬局のBCPの違い
一般企業のBCPであれば、災害時は基本的に業務量や業務活動範囲が減少するはずなので、普段の業務から中核となる業務を整理して、その業務をいかに継続していくかがポイントになります。
それに対して薬局は、大規模災害の際は負傷者が多く出る中で、設備的には不十分な状態になるため、業務量は普段よりかなり増える可能性があります。
そのため、BCPの策定を進める中で、平時での業務から災害時に継続するべき業務を整理しつつ、災害時に追加される業務についても事前に整理しておく必要があります。
1-2. 地震、台風、感染症、様々な災害へのBCP
BCPは具体的な被害状況をイメージし、業務の優先順位を決めて対策を練るため「大規模災害時の計画」というようにざっくりした想定では効果が薄くなります。
想定できる災害をいくつかピックアップして、それぞれの被害状況をイメージして、どんなリスクがあるのか挙げていくことが、初動の速さに繋がると思われます。
また、一般的には自然災害に対するBCPを策定できていても、感染症に対するBCPは策定できていないという企業は多いです。
新型コロナウイルスの蔓延を契機に、感染症に対するBCPや、緊急事態宣言時の自然災害に対するBCPを策定する企業がこれから増えていくのかもしれません。
1-3. 足りない解決策は事前に補う
BCPの策定を進める中で、全てのリスクに対しての解決策が自社にあるとは限りません。
地域の連携を強める必要があったり、導入していない製品を新しく導入することも視野に入れた方が、より具体的な計画になっていきます。
例えば災害時にPC等の機器が使えなくなった状態で、情報を確認して安全に医薬品の提供をしたい場合、スマートフォンからのログインも可能なサービスを利用することで、事前の対策となります。
1-4. BCPの継続的な見直し
BCPは策定したらゴールではありません。
継続的に全ての従業員への周知をしつつ、導入しているシステムや従業員数、近隣医療機関との連携体制など、様々な要因で見直しが必要になります。
BCPの改善をし続けて、訓練を繰り返すことが、結果的に一番の災害対策となるでしょう。
2. まとめ
今回はBCPについてまとめてみました。
BCPの策定と見直しには、人件費等の多くのコストがかかると思われますが、企業としての財政基盤を守るため、計画をしてみてはいかがでしょうか。
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それではまた。ズーでした。